

最近では、副業を認める会社が増えていますが、公務員などはまだ副業が禁止されている状況です。
もし副業がばれてしまうと処分されてしまうわけですが、海外FXを行なっていること自体も知られたくないケースがありますよね。
特に、税金面でバレることでさまざまなリスクが生じるというイメージがあります。
そこで、こっそり海外FXを楽しみたいわけですが、海外FXの税金は会社にバレてしまうものなのでしょうか?
この記事では、会社にバレるのか、そしてバレる原因とバレない方法を徹底解説します。
もし、バレたくないと考えている方は、是非この記事を読んで注意すべきポイントを抑えて取引を楽しみましょう。
海外FXで稼いでいると会社にばれる?
会社員が会社には内緒で海外FXで稼いでいると、会社にばれてしまう場合があります。
なぜかというと、会社は毎年社員に支払う給与所得から、翌年の住民税の納税額を把握できるからです。
給与所得者に該当する会社員の住民税は、原則「特別徴収」という徴収方法によって特別徴収義務者である会社が給与から天引きし、納税義務者に代わり納税します。
社員の年間所得から決定した住民税の納税額が、会社が給与として支払った納税額を上回っていた場合に、その社員に給与以外の収入源があることが分かってしまうわけです。
では、具体的にどのような流れで会社にばれてしまうのでしょうか。
海外FXで稼いでいると会社にばれる理由
海外FXで稼いでいると会社にばれる理由は、主に住民課税決定通知書による金額の不一致とFX会社から税務署に提出される支払調書による2つが考えられます。
これら2つの書類によって、会社側に給与以外の収入源の存在を察知させてしまうことにつながるわけです。
それぞれの書類に、どんな役割と特徴があるのか見ていきましょう。
1.住民課税決定通知書
住民税課税決定通知書は住民税の納付先である自治体が発行する書類で、年間の総所得に基づいた住民税の金額が記載されたものです。
会社の場合は事業者である会社が、社員の住民税を給料から天引きして納付しなければいけません。
そのため、自治体は住民課税決定通知書をもって社員が納付するべき住民税の金額を会社へ通知するというわけです。
会社は住民課税決定通知書に記載されてある社員の納税額を確認します。
このとき、会社が社員に支払った給料をベースに算出した納税額よりも、住民課税決定通知書に記載されてある住民税が高くなっていた場合、社員に給料以外の収入源があることが会社にばれてしまうというからくりです。
2.FX会社が税務署に提出した支払調書
支払調書とは、所得税法によってFX会社が税務署に提出することが義務付けられている書類です。
支払調書には納税者がFXによって稼いだ取引損益が記載されているため、税務署は支払調書によって納税者の取引損益を把握しているわけです。
もし、納税者が取引損益に基づいた適正な確定申告をしなかった場合は、税務署から確定申告をするように指導を受けてしまうでしょう。
そこで納税者は確定申告をすることになるのですが、確定申告によって住民税が決定し、自治体から住民税決定通知書が作成され、会社へ通知がいくという流れです。
どちらにしても、FXで得た利益については確定申告をするわけですから、最終的な住民税の決定をもって会社に把握されてしまいます。
では、会社にFXの利益にかかる住民税の金額がばれないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
海外FXの利益を会社にばれないようにするには
海外FXの利益を会社にばれないようにするには、FXの利益にかかる住民税の納付方法を普通徴収で納付するようにしましょう。
普通徴収とは会社による特別徴収ではなく、個人で住民税を納付する納付方法のことです。
普通徴収への切り替え方法は、FXでの利益を確定申告する際に住民税の納付方法の欄で普通徴収を選択すれば、特別徴収からの切り替えができるようになります。
納付形式を普通徴収に変更すると、自治体から会社へ通知される住民税決定通知書には会社からの所得に基づいた納税額しか記載されなくなるため、会社から給与の他に収入源があることを悟られなくなるでしょう。
確定申告した分の納税額は、納税通知書が納付書とともに個人宛に送られてくることで通知されます。
そこで送られてきた納付書により、直接個人が納付するという流れになります。
なお、普通徴収に切り替えたことで、住民税を個人的に納付していることを会社に知られることはありません。
自治体から会社に通知される住民税は、あくまでも社員に支払われた給与に基づいた納税額であるからです。
ですから、確定申告の際は会社を気にすることなく普通徴収を選びましょう。
副業が禁止の会社にばれてしまったら
FXで得られる収益は雑所得となるので、本業と並行して行っているFXでの取引は副業には該当しません。
このことから、万が一FXで収益を得ていることを副業禁止の会社にばれてしまっても、処分の対象となることはないといえるでしょう。
雑所得とは10種類ある所得区分の1つで、他の9つの所得区分に分類されない所得が該当します。
本業の他に給与所得を得ているのであれば副業として定義されますが、FXのような雑所得は投資などの金融商品と同様、法律上においても副業として定義されることはないでしょう。
もし副業禁止の会社で、社員がFXで利益を得ていることがばれてしまったとしても、会社は社員を処分することはできないのです。
ただし、FXに熱中するあまり本業に支障をきたしてしまうのはよくありません。
FXの影響で、会社に迷惑のかかる行為が増えていくと、副業禁止の処分とは別の処分対象となる可能性がありますので注意しましょう。
海外FXで利益が発生したら確定申告が必要?
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に発生したすべての所得金額と、それに対して所得税と復興特別所得税の額を計算して、納税する手続きのことを指します。
納税額を自分で計算する必要があり、それを確定して自己申告するスタイルを採用しており、この一連の流れを確定申告と呼ぶのです。
確定申告の具体的な流れを説明すると、毎年決められた申告期限までに確定申告書を提出しなければなりません。
原則として、この手続きは翌年の2月16日~3月15日に行なうことが多いのですが、曜日の関係で前後する場合があります。
また、新型コロナウイルスの影響によって、2020年と2021年は期間が延長となりました。
詳しいスケジュールについては、国税局のホームページやチラシ等で確認しましょう。
申告方法では、大きく分けて青色申告と白色申告の2種類が存在します。
それぞれの申告において、帳簿の付け方や必要書類が異なりますが、青色申告の方が帳簿の付け方が面倒な反面、控除額が多いのでおすすめです。
海外FXで確定申告する必要がある人の判断基準
特に個人事業主などが行っている確定申告は、必ずしてもすべての方が必要になるわけではありません。
その年の利益が一定額を超えた方のみが行なう必要がある作業なのです。
利益とは、得られた収益に対してかかった経費を差し引いて算出されます。
よって、いくら利益を多く出したとしてもそれ以上に経費がかかっているケースでは、確定申告する必要はありません。
以上のように、サラリーマンであっても海外FXで得られた利益に対して確定申告しなければならない点は覚えておきましょう。
そして、具体的には以下に該当するケースで確定申告が必要となります。
給与所得者 |
年間の利益が20万円を超えると確定申告が必要 |
非給与所得者 |
年間の利益が38万円を超えると確定申告が必要 |
ここで確認したいのが、給与所得者と非給与所得者で基準が異なっている点です。
非給与所得者とは、個人事業主など企業に雇用されていない方のことを指します。
その場合、海外FXおける年間利益が合計で38万円を超えてしまうと、確定申告が必要となります。
一方で、サラリーマンの場合は給与所得者に該当し、海外FXの年間利益が20万円を超えた方のみが確定申告が必要となるのです。
20万と言うと、意外と低い基準で確定申告が必要となることがわかります。
確定申告で課税対象になるタイミング
確定申告において、課税対象となるタイミングを正しく理解することも重要です。
一般的に、FXではポジションを持っているだけではまだ利益は確定されません。
例えば、年末に保有しているポジションで100万円の利益が出ていたとします。
ただ、これだけではまだ利益が確定されておらず、もしかしたらこの利益が目減りする可能性もありますし、逆にさらに値上がりする可能性もあります。
では、どの時点で利益が確定するのかと言えば決済したタイミングとなるのです。
先の例で言えば、年末の時点で利益が100万円の利益があって、そのまま決済すると100万円益となり、そこから他に得た利益を足して、そこから諸経費を差し引いて算出した利益によって、確定申告要否が判断されます。
以上をまとめると、以下のようになりますので覚えておきましょう。
課税対象 |
ポジション決済して損益が確定した |
課税対象外 |
ポジション保有中で評価損益がプラス |
国内FX業者と海外FX業者を利用する際に適用される税制の区分は?
レバレッジが高くて少額資金でも利益が出せるチャンスがある海外FXは、魅力的ですよね。
また、各種ボーナスなど国内FXとは違った魅力があり、多くの方が利用されているのです。
その海外FXと国内FXでは、実は適用される税制が違います。
国内FXは分離課税が適用されて、所得に関わらず税率としては所得税は15%で、復興特別所得税0.315%、地方税5%、計20.315%と固定されているのです。
一方で、海外FXで用いられている総合課税では、住民税は一律10%となっています。
ただ、所得税は所得に応じて5%から45%まで7段階の累進課税になっているのが特徴です。
具体的には、以下の税金が発生します。
所得額 |
所得税率 |
控除額 |
住民税 |
195万円以下 |
5% |
0円 |
10% |
195万円を超え330万円以下 |
10% |
97,500円 |
10% |
330万円を超え695万円以下 |
20% |
42万7,500円 |
10% |
695万円を超え900万円以下 |
23% |
63万6,000円 |
10% |
900万円を超え1,800万円以下 |
33% |
1,536,000円 |
10% |
1,800万円を超え4,000万円以下 |
40% |
2,796,000円 |
10% |
4,000万円超え |
45% |
4,796,000円 |
10% |
かかる税金については、以下の記事でより詳しく解説しています。
海外FXの税金を徹底解説!確定申告や計算方法、税率を詳しく解説!
そもそも損益通算とは?
確定申告において、非常に重要な考え方として損益通算があります。
そもそも、損益通算とは一体どのようなものなのでしょうか?
損益通算とは、赤字の所得を他の所得の黒字と相殺して計算する方法のことです。
所得の計算は、その年1年間の収入金額から必要経費を差し引いて計算するのが一般的となります。
もし、計算した結果がプラスとなっていればば黒字、マイナスになってしまうと赤字となるのです。
単純に、黒字分のみが税金の対象になるわけですが、実際の所得税の計算時には少し話が複雑となります。
実際に所得税を計算する際には、10種類に区別して計算しますが、損益通算によって黒字の給与所得と赤字の事業所得を相殺して税金の計算をしなければなりません。
損益通算できるものには、以下があります。
所得の種類 |
内容 |
不動産所得 |
土地や建物の貸付などによる所得 |
事業所得 |
各種事業を営むことによる所得 |
譲渡所得 |
土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって発生する所得 |
山林所得 |
山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって発生する所得 |
一方で、不動産所得で生じた赤字の一部は損益通算できないので注意しましょう。
複数の口座がある場合は、損益通算や内部通算する必要がある
海外FX口座を複数開設するケースがありますよね。
それぞれを使い分けで、うまく収益を上げていくことが重要です。
もし複数口座がある場合は、損益通算や内部通算する必要があります。
損益通算と内部通算とは、損失が出た所得がある場合に税金の計算において他の所得から損失分を差し引く事が可能です。
ただし、損益通算と内部通算は適用条件に違いがあるので注意しましょう。
- 損益通算:事業所得など限られた所得で損失が出た場合にのみ一定の順序で他の所得から損失分を相殺可能
- 内部通算:同じ種類の所得同士で損益を相殺可能
要約すると、雑所得同士の損益の相殺のことを内部通算、事業所得などの赤字を給与所得と相殺する場合が損益通算となります。
意味合いが全く異なりますので、正しく理解して損益通算と内部通算を行ないましょう。
海外FX業者と国内FX業者の両方で取引している場合
海外FX業者と国内FX業者の両方で取引している場合は、実は利益は合算するというテクニックは適用できません。
また、どちらかが損失の場合も損益の通算ができないのがルールとなっています。
なぜ、両方で取引していると損益通算が行えないのかと言えば、課税方法として国内FXは申告分離課税を採用しており、全く異なる税制となっているためです。
ただ、海外FX業者の口座で発生した利益と損益通算が可能なケースもあります。
具体的には、以下のケースが該当するのです。
- 他の海外FX業者での取引
- 暗号資産取引
- インターネット転売
- アフィリエイト収入
基本スタンスとしては、雑所得で総合課税の項目は損益の通算が可能となるのです。
海外FX業者同士で取引している場合
海外FX業者の口座で得られた、複数口座の損益については同じ所得の種類となります。
よって、内部通算の形で損益を通算することができるのです。
ただし、雑所得は海外FXの利益だけが分類されるわけではありません。
以下の収入が合った場合、海外FXにおいて発生した損益と内部通算することによって、雑所得の金額を計算することになります。
- メルカリやヤフオクなどの販売益
- アフィリエイト収入
- 暗号資産取引
海外FXの確定申告で覚えておくべき3つのポイント
海外FXの確定申告において、覚えておくべきポイントがあります。
主に、以下3つのポイントに特に注目しましょう。
- 海外FXは損失繰越が利用できない
- 国内FXと海外FXは損益通算できない
- 出金できないボーナスは課税対象外
このポイントを見落とすと、余計に税金を払ったり修正申告しなければならなくなるので要注意です。
では、各ポイントについて具体的に見ていきましょう。
1海外FXは損失繰越が利用できない
大前提の話として、国内FXと海外FXの損益通算はできない点は理解しておきましょう。
そして、海外FX自体が損失繰越ができないという点にも注目です。
国内FXの場合は、1年間の損益がマイナスとなったとしても、確定申告を行えば最長3年先まで損失繰越することができます。
一方、海外FXでは前年にどれだけ損失が発生していたとしても、1年間だけで損益が確定することになるのです。
例を挙げて説明すると、1年目でマイナス50万円、2年目で350万円の利益が出たとします。
国内FXの場合は、1年目も確定申告をする必要あって2年目は1年に発生した損失繰越の分と相殺する形で、300万円が課税対象とすることが可能です。
一方で、2年目の利益300万円が課税対象額となるので、累進課税によってより高い税率になる可能性があります。
2国内FXと海外FXは損益通算できない
国内FXと海外FXでは、損益通算することはできない点にも注意が必要です。
海外FXは総合課税ですが、国内FXは申告分離課税なので税区分が異なっていることから、損益通算ができません。
もし、片方で利益が出てもう片方で損失が出ていた場合でも、利益が出た方の利益分全額が課税対象となるので注意しましょう。
具体例を挙げると、国内FXでマイナス20万円、海外FXにおいて120万円を利益として計上した場合、海外FXの利益120万円がそのまま課税対象となります。
3出金できないボーナスは課税対象外
海外FX業者を利用していると、豪華なボーナスが用意されています。
このボーナスは、主に以下の種類が存在します。
- 証拠金のみに使えるボーナス
- 現金がキャッシュバックされるボーナス
ボーナスは、すべてが所得となるわけではなく、出金できるかできないかがポイントです。
入金ボーナスの場合、ほとんどが確証金のみに使用できるボーナスであり、これは出金できないので課税の対象外という扱いになります。
逆に、現金がキャッシュバックされるボーナスの場合は、課税対象となるので注意しましょう。
まとめ
海外FXにおいて、必ずしも確定申告する必要はありません。
得られた利益から経費を差し引いて、基準を超えた場合のみ確定申告が必要になるのです。
また、ボーナスはすべてが課税対象とはならないなどの注意点もあります。
この記事で紹介した内容を正しく理解して、納税可否を判断してバレずに納税しましょう。