

海外FXで取引していると、早朝はスプレッドが広くなっていると感じた方もいるのではないでしょうか。
「海外FXでのスプレッドが早朝に開く理由を知りたい」
「スプレッドが開く時間帯や取引における対策はあるの?」
スプレッドが大きく開く早朝は、取引したいからといって強引に取引すると損失を抱えるリスクが高まるでしょう。
この記事では、海外FXでの早朝スプレッドが開く理由や詳しい時間帯、スプレッドが広い時間帯に取引を行う上での対策を紹介しています。
記事の内容を上手く活用すれば、海外FXの早朝スプレッド環境下でも、不要な失敗を防げるようになるでしょう。
早朝からの取引で損失を出すシーンが多かったり、早朝しか取引のタイミングがないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
海外FXの早朝スプレッド
海外FXでの取引ではしばしばスプレッドが開くことがあります。
スプレッドは主に早朝に開きやすくなっており、通常よりも早朝にスプレッドが開いている状態のことを早朝スプレッドといいます。
早朝スプレッドという大枠の中でもおおよその時間帯には傾向があるものの、早朝スプレッドは時間帯に限らず広くなる場合もあります。
そこで、詳しい時間帯、スプレッドの単位や計算法について順を追って見ていきましょう。
・早朝スプレッドが開く時間帯
・その他のスプレッドが開く時間帯
・スプレッドの単位や計算法
早朝スプレッドが開く時間帯
早朝スプレッドが開く時間帯は夏時間だと6時~7時、冬時間では7時~8時に開く傾向があります。
どちらもちょうどニューヨーク市場が終わる時間帯で、日足の確定から1時間程度の頃合いになっているのが分かります。
また、オセアニア市場が始まった直後の時間帯と捉えることもできるでしょう。
主にウェリントン市場(ニュージーランド)やシドニー市場(オーストラリア)での取引を総称して指します。
取引が始まる時間は夏時間6時、冬時間7時となっています。
FXにおける取引時間について以下の記事で詳しく解説していますので、理解を深めたいという方は参考にしてみてください。
海外FXの取引時間を徹底解説!稼ぐためにおすすめの時間帯やポイントも紹介!
その他のスプレッドが開く時間帯
通常のスプレッドよりも広い早朝スプレッドですが、早朝スプレッド以外にも開きやすい時間帯があるため紹介しておきます。
その他のスプレッドが広くなる時間帯は、経済指標発表時や月曜の朝などです。
これらのタイミングでは、早朝スプレッドと同じようにスプレッドが開く傾向が強いため注意が必要といえるでしょう。
特に月曜の早朝にオセアニア市場の経済指標が発表される時など、これら全てのタイミングが重なる時は、スプレッドも開き易くなります。
早朝スプレッドの単位や計算法
早朝スプレッドは、pipsで現わされています。
早朝スプレッド環境下では、スプレッドによってどれくらいの負担が発生しているかを把握する必要があるでしょう。
そこで、早朝スプレッドを見ただけで瞬時に損失が計算できるようにやり方を紹介します。
1ロットが10,000通貨で取引していた場合、ドル円(1ドル:140円、レバレッジ100倍)の早朝スプレッドが5pipsだったとしましょう。
その際の詳しい算出方法は次のようになります。
140(円)×10,000(通貨)÷100(レバレッジ)=14,000円(必要証拠金)
14,000(円)×5pips(5銭:0.05円)=700円(早朝スプレッド損失額)
このように取引する時点からすでに大きな損失を抱えた状態であることが分かります。
少なくとも早朝スプレッド分を大きく超える収益が期待できないと、取引するのは賢明ではないといえるでしょう。
なぜ海外FXで早朝スプレッドは広がる?
早朝スプレッドが広がる背景には理由があります。
そこで、早朝スプレッドが広がる理由を次のとおり解説していきます。
・FX業者側の問題
・リカバリーの問題
・取引量の問題
1つずつ見ていきましょう。
FX業者側の問題
まず、要因としてFX業者側の対応が追いついていない状況からスプレッドが広がる可能性が考えられます。
各FX業者では、それぞれ約定力やスプレッド基準が異なっています。
これらの違いはFX業者が提供する取引環境やシステムの影響といえるでしょう。
もし、提供しているシステム環境が劣っているFX業者の場合、相場の値動きの変動にシステムが追いついておらず、結果的にスプレッドが開いてしまう原因となってしまうのです。
リカバリーの問題
FX業者の為替レートをリカバリーしている銀行などの金融機関が少ないという問題もあげられます。
為替レートをカバーする金融機関が少ないことで、FX業者の扱っている為替レートが少なくなります。
そうなるとFX業者のスプレッドへの対応が悪くなり、結果的にスプレッドが開く原因となってしまうというわけです。
逆にFX業者の為替レートをカバーしている金融機関数に余裕があると、スプレッドへの対応がよくなり、そのFX業者はより狭いスプレッドを提供できるようになるでしょう。
取引量の問題
早朝スプレッドが開く原因として、FX業者とリカバリー先の問題を解説してきました。
原因からこの2つを取り除いたとしても、まだ肝心な要因があります。
それは、取引量の問題です。
スプレッドは為替取引の性質から取引量が多いと狭くなり、少ないと広くなります。
このため、東京市場や欧州、ニューヨーク市場に比べて取引量が低下する傾向が強い早朝の時間帯はスプレッドが広くなるというわけです。
海外FXの早朝スプレッドの特徴
早朝スプレッドが開く時間帯や広くなる背景を解説してきました。
ここからは、海外FXの早朝スプレッドの特徴を見ていきましょう。
早朝スプレッドが発生している状態の取引では、通常取引に比べてスプレッドが何倍も広がります。
取引する通貨によっては、3倍以上も高くなる状況も十分にあり得るでしょう。
また、海外FXにおける早朝スプレッドの広がりは、取引通貨によって違いがあります。
オセアニア市場の開始直後は他時間に比べて取引量が少なくなるため、その中でも普段から取引量が少ないメキシコペソや南アフリカランドなどのマイナー通貨の取引量がさらに低下するというわけです。
結果、取引通貨によって早朝スプレッドの広さが変わってくるといえます。
通常取引のスプレッドの方が安全に取引できますが、どうしても早朝に取引したい場合はメジャー通貨の方が損失が低く好ましいといえるでしょう。
早朝スプレッドで気を付けること
海外FXで早朝スプレッドの特徴を押さえた上で、早朝スプレッドで取引する場合に気を付けるポイントを紹介します。
・早朝発表の経済指標
・固定型は解除対象
・損失リスクの向上
・レバレッジとの連動
早朝発表の経済指標
スプレッドが開く要因として通貨の流動性の低さ、経済指標発表時などがありました。
これらの要因は早朝に取引する際、意識しておくようにしましょう。
具体的には、早朝スプレッドが開く時間帯であるオセアニア市場において経済指標の発表が予定されている時です。
オセアニア市場は取引量が少ない中でも、経済指標の内容次第では瞬間的に相場を動かす場合もあります。
あらかじめこのようなシーンが予想される場合は、相場の値動きに加え早朝スプレッドもさらに開く傾向があるため、取引は控えるようにしましょう。
固定型は解除対象
利用している口座タイプが固定型スプレッドの場合も注意が必要です。
普段の取引でスプレッドが固定されている固定型スプレッドですが、世界的な経済ショックなどがあると解除対象となる場合があります。
早朝スプレッドでの取引も対象で、固定型スプレッドで取引をしていたつもりでも気付かない内に解除された状態で取引していたという場合もあるでしょう。
固定型スプレッドであっても、取引前に解除されていないか意識するようにしましょう。
損失リスクの向上
基本的な理屈ですが早朝スプレッド環境下で取引をすると、1回辺りの取引で通常よりも何倍も多くの手数料が発生してしまうことで損失リスクが向上するでしょう。
そして取引回数が多くなればなるほど、早朝スプレッドにより発生する手数料も何倍にも膨らんでいきます。
状況によっては通常スプレッドであれば利益が取れている場合でも、早朝スプレッド分を差し引くと損失が発生するリスクもあるわけです。
早朝スプレッド分を加味しても十分な利益がとれる優位性が高い状況でない限り、早朝時間帯における安易な取引は控えるようにしましょう。
レバレッジとの連動
早朝スプレッドによる広いスプレッド環境下では、レバレッジとの連動があることも考慮しておかなければなりません。
海外FXでの高いレバレッジは大きな利益が狙える反面、どうしてもリスクが高くなってしまいます。
レバレッジを高くすると、それに連動してスプレッドも開くため損失リスクがさらに高まるというわけです。
早朝取引では、リスクの高まりがさらに強いものになるといえるでしょう。
これらレバレッジにかかる損失を考慮してロットを下げるなどの対策を取り、早朝スプレッドを警戒しながら、取引を行うようにしましょう。
海外FXでの早朝スプレッドへの対策
海外FXで取引する際、早朝スプレッドのようにスプレッドが開く環境下の取引で気をつけることについて解説してきました。
本項では、スプレッドが開いた状態での取引を行う場合の対策を紹介していきます。
・ロット管理の徹底
・スリッページの活用
・口座タイプの選択
ロット管理の徹底
海外FXでの早朝スプレッドへの対策として、まずあげられるのがロット管理の徹底です。
大きく開いたスプレッドはレバレッジとの連動性により、レバレッジを高くすればするほど大幅に拡大する傾向にあります。
そうなると損失リスクも高まるため、ロットを低めに設定することで開いたスプレッドの上げ幅分を縮小させる必要があるわけです。
早朝スプレッドがより広くなるマイナー通貨で取引する際は、普段のロット数よりもより低く設定するなど、いつも以上にロット管理を意識しておくようにしましょう。
スリッページの活用
早朝スプレッドへの対策として、スリッページの活用もリスク防止の観点からおすすめです。
スリッページを活用することで意図しないスプレッドによる約定を防げるため、開き過ぎたスプレッドによって生じるであろう損失を回避できるでしょう。
早朝スプレッド環境下で取引する場合は、取引前にあらかじめスリッページを設定しておくようにしましょう。
注文にかかるスプレッド幅を事前に設定しておく機能。
約定させる条件として取引前にスプレッド幅を決めておけば、設定値を越えたスプレッドでは約定しません。
すなわち、大き過ぎるスプレッド環境下で設定により約定させないことで、スプレッド損失を低減させることができるというわけです。
口座タイプの選択
口座タイプの選択も対策として有効です。
多くの海外FX業者は口座タイプにECN口座とSTP口座を用意しています。
ECN口座だと取引手数料が生じるもののスプレッドが狭く、STP口座では取引手数料が無料の代わりにスプレッドが広くなりがちです。
STP口座ではFX業者が受けた注文を最も売り買いに適した価格で発注してもらえる代わりに、その分FX業者の手数料が上乗せされてしまいます。
一方、ECN口座は通貨取引量の多い電子取引所への直接注文となるためスプレッドが狭くなり、スプレッドとは別に手数料が必要になってくるわけです。
取引の性質上、FX業者は取引手数料を加味したとしても、STP口座に比べてECN口座の方が狭いスプレッドでの取引を提供できるといえるでしょう。
ECN口座の取引ではスプレッドが狭い分、微々たる手数料も発生しますが手数料を合わせてもSTP口座よりもスプレッド損失は低くなります。
早朝スプレッド環境下での取引にECN口座を選択することで、スプレッド損失を下げていきましょう。
海外FXの早朝スプレッドに適した手法
海外FXにおける早朝スプレッドでの注意点と対策が理解できたところで、最後に早朝スプレッドに適した手法を紹介します。
早朝スプレッド環境下でも比較的リスクを低減できる手法が窓埋めを活かした取引手法といえるでしょう。
通常、連続する相場の値動きを示すローソク足は、上下に間隔が開くことなく連なった状態でチャートの値動きを形成しています。
しかし、たまに週の始めに確定する1本目のローソク足が前週最後のローソク足と上下いずれかの方向に隙間を開けている状況があります。
この隙間が生じることを窓が開いたと言いますが、ローソク足の動きには隙間が生じると短い時間で隙間を埋めるような値動きが起こりやすくなります。
ローソク足が隙間を埋める習性を活かして、隙間が埋まる方向にポジションを持てば利益が出る公算が大きいというわけです。
窓が出現する早朝スプレッド時に勝率を高める手法としては、打ってつけの手法といえるでしょう。
まとめ
海外FXでの早朝スプレッドの特徴や取引におけるポイント、最適な取引手法を紹介してきました。
早朝スプレッドが開く要因などが分かってくると、早朝の取引にはリスクや気をつけておくべきポイントが多かったと思います。
スプレッドが広い早朝よりも、スプレッドが落ち着いた通常時に取引する方がより安全な取引ができます。
それでも海外FXでの早朝スプレッド環境下で取引をする必要がある場合は、本記事で紹介した対策や取引手法を活用することで、比較的リスクを抑えた安全な取引が可能となるでしょう。
早朝にトレードを行う際のお供にしてみてください。